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天へと至る「成長」

『モーリー先生と火曜日』という、死の床にある年老いた先生と、かつての教え子の対話を描いた本がある。その中にモーリー先生のこんな言葉が記されていた。「老いを受け容れるとき、老化は・・・老いは単なる衰弱じゃないんだ。成長なんだよ」と。興味深い。それは、大きくなるにつれて身につけてきた、さまざまな自分の「力」が次々に剥がれ、内にある本物の自分が現れ出るような「成長」ではないだろうか。 神さまは今ここで、自分らしいその「老いの成長」に気づくような生き方へと、私たちを招かれているのである。それを受け容れるとき、命は輝き、魂は光を放つ。よしんば体は衰え、病に冒されていても何の問題もない。その招きに従って生きる高齢者には、本物の魅力がある。若者には持ち得ない人間的な豊かさがある。過去を受け容れ、今を受け容れ、やすらかな来世への希望に生きるとき、天の御国の美しささえも、そこに垣間見えるのである。老いは決して捨てたものではない。否、素晴らしい。これから迎える季節の紅や黄金色の葉の輝きのように・・・。 先月、神学部で御世話になった先生が亡くなられた。ここ一年ほど、入院先を幾度となくお訪ねすることができた。もはや言葉を交わすことは困難な状態だったが、病床でなした祈りには、いつも心を合わせてくださっている実感があった。その時の先生の老いた眼差しには、学校では聴けなかった先生の熱い思いが示されていた。彼方に「天国」があるという確かな希望が・・・ ある晩、夢の中に元気な頃の先生が、光に包まれて現れた。その翌日に先生が天へ召されたことを、後で知った。


☆9月20日の説教要約:
「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会う時は、この上ない喜びと思いなさい」(ヤコブの手紙1:2)
人生、様々な問題に見舞われます。その試練の生活の只中にあるとき、思い出して欲しいことがあります。それは、あなたが孤独で、一人ぼっちでその人生を歩んでいるのではないということです。共に主イエスが居られる・・・あなたのために、私たち皆のために、十字架というこの上もない試練に自らを投げ入れ、私たちを贖い出してくださった方が、あなた自身の「人生の舟」に、共に乗り込んで下さっているのです。だから、どんなに厳しい試練の波風が湧きあがろうとも、嵐が吹き荒れようとも、心配はいりません。主が必ずや鎮めて下さいます。この人生の舟・・・安んじて、平静な思いで漕ぎ進みましょう。良き方向へと導かれることを確信して。
by aslan-simba | 2009-09-17 08:27 | Comments(0)

〒612-8006 京都市伏見区桃山町大島86-29  京阪桃山南口より徒歩8分、ほっこりした教会   天に在る牧師の愛犬たちです。

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