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初夏の風に誘われ、平等院へ

木々の緑がひときわ色濃くなってきた。初夏の到来が実感される。今朝は新たな季節の風が庵のなかを通り抜け、仕事に没頭する私の頬をなでた。はっと我に帰り、一息、深呼吸する。窓の向こうが明るく輝いていた。 風のさそいに家を出てみた。足が向いたのは平等院、歩いて一時間ほどの距離のはずである。思えば、宇治や平等院の名は子供の頃から知っていた。母が十円玉を見せながら宇治の平等院の話をしてくれたことを思い出す。四十年も前の話だ。 その平等院を訪れたのは中学時代の修学旅行と、京都での商談帰りに立ち寄ったサラリーマン時代の二度。別に、これといった印象はなかった。 ただし近年、古都の文化財のひとつとして世界文化遺産に登録され、寺内も修理、整備をされたと聞いている。もしかしたら「地上の極楽浄土」の姿を復元しているかもしれない。藤の花も美しいはずだ。 気づけば、すでに京阪宇治の所にまで来ていた。そこから宇治橋を渡り、土産物屋の並ぶ参道を道なりに歩く。修学旅行の生徒たち、観光バスで訪れている人たちが予想外に多い。 境内に入る。藤の季節は終わっていたが、極楽浄土の風景は確かにあった。池ごしに見る鳳凰堂の格子の障壁に付された丸窓から、定朝作の阿弥陀如来像の柔和な顔がのぞいている。ふっと、主イエスの「幸いなるかな」の御言葉が耳元を走り、爽風が全身を吹きぬけて行くのを感じた。
by aslan-simba | 2008-05-23 10:49

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