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クリスマスの言霊

ある方が、このような詩を紹介してくれた。「ひとつのことばでけんかして ひとつのことばで仲直り ひとつのことばでおじきして ひとつのことばで泣かされた ひとつのことばそれぞれに ひとつのこころをもっている」。作者は北原白秋とのこと。 言葉には確かに、不思議な力がある。古代の日本人は、それを「言霊」(ことだま)と称し、さらにはこの国を「言霊の幸ふ国」として捉えた。ギリシア人たちも同様に、言葉の力をロゴスと呼び、理性や知恵、そしてそこに真理を見たのである。改めて言葉の威力を考えさせられる。ちなみに、キリスト教も言葉への信頼によって成り立っている。それは、「言葉を通して、歴史に参与する神」への信仰が前提となる。聖書の語る神の言による天地創造、主の御言葉による奇跡といった出来事は、「神の言の事実」の神話的表現と解せよう。このように言葉の力は、古くから広く世界中において理解されてきた。 しかし、今日の情報社会では、その本来の力が見失われているように思えてならない。洪水のように溢れ出ている言葉の現実はあるものの、むなしく無責任な言葉が多すぎるのである。その世界に、今年もクリスマスが来る。それは「神の言が私たちの間に宿られた出来事」(ヨハネ1章参照)を示している。「ひとつのこころ」を神さまが私たちにさし出されたのである。クリスマスの「ことば」がある限り、そこに希望はある。その言霊を大切に・・・
by aslan-simba | 2007-11-30 18:08 | Comments(0)

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