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パンドラの希望

 ギリシア神話のパンドラの箱の物語、ご存知ですか。最初に地上に送られた女性パンドラは、禁止されていた箱のフタを開けました。途端に箱の中に封じ込まれていた病気、災害、戦争、飢餓、貧困、妬み、嫉妬などのあらゆる厄災が、一気にこの世界に飛び散ったのです。慌てて箱を閉じたが後の祭り。しかし箱の中に一つだけ残っていたものがあります・・・希望です。 
 

 最後に残された希望の大切さ・・・。先日、何十年かぶりに『夜と霧』を再読しました。『夜と霧』は、アウシュビッツに収容されたユダヤ人精神科医で心理学者のヴィクトル・フランクルの記録です。原題は「強制収容所における一心理学者の体験」。一日をパンひとかけらだけで重労働させられる悲惨な環境の中、それでも「自分には未来がある」 と信じ得た僅かな人たちは、最後まで生き伸びることができたのです。「人は確かな希望があれば、絶望的状況におかれても、それを乗り越えることができる」。この本は、そんなことを教えてくれます。

 それは使徒
パウロの言葉とも重なります。「現在の苦しみは、将来、わたしたちに現されるはずの栄光に比べると。取るに足りない・・・被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっている・・・、わたしたちも神の子とされること、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。わたしたちは、このような希望によって救われているのです」(ローマ81824参照)。全き救いの日の希望が、現状のさまざまな苦難に対峙しつつ伝道するパウロを鼓舞し、彼に生きる勇気と力を与えていたことが分かります。私たちも自らの抱える日々の問題や困難な状況に、右往左往させられてはなりません。

 「希望の日」は、それを超えた先に必ずあるからです。 いつの時も、地上には絶えず混乱と困窮、苦悩と悲しみが渦巻いています。それでも、私たちには、神から与えられた希望があることを心に刻みましょう。パンドラの箱の開いたこの世にあっても、確かな希望がある! その「希望はわたしたちを欺くことがありません」(ローマ55)。初夏の麗しい緑の木々も、そう私たちに語りかけているようです。


5月28日説教「我に来たれ」要約:

渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい」(ヨハネ福音書7:37)

主イエスは、「誰でもご自身の許に来るように」と、私たちを招かれます。それは救い主である主が、私たちに聖霊を与えて下さる御方だからです。聖書は、私たち赦された者として、聖霊に与かり、神との交わりの中に生きる恵みを告げます。感謝




by aslan-simba | 2017-05-23 17:18 | Comments(0)

〒612-8006 京都市伏見区桃山町大島86-29  京阪桃山南口より徒歩8分、ほっこりした教会   天に在る牧師の愛犬たちです。

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