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目に青葉 山ほととぎす 初鰹

 「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」、松尾芭蕉と同門だった江戸の俳人・山口素堂による句です。(正しくは「目には青葉・・・」)。季語を三つ重ね、目にも鮮やかな「青葉」、初夏を告げる「ほととぎす」、そして旬の「初鰹」が詠われます。

 この時期は、黒潮に乗って鰹が太平洋沿岸を北上する上り鰹(のぼりかつお)のシーズンだそうです。江戸っ子は上り鰹を珍重し、
「女房を質に入れても初鰹」とまで言いました。子供の頃に父がこの川柳を解説してくれた記憶があります。「初鰹を食べると縁起が良い」「長生きできる」といった話と共に・・・。

 京都の人とは違い、東京の庶民は、旬の食べ物や初物にさほど関心ないように思いますが、父も母も「初鰹」を食べることには、結構こだわりがありました。昔の下町では、大金を払ってでも初鰹を食べるのが「粋(いき)」だ、とされていたからでしょう。そういえば、こんな川柳もありました。
「まな板に 小判一枚 初鰹」。

 なおホトトギスについても、東京つながりの記憶が甦ります。ホトトギスの鳴き声は「トウキョウトッキョ
キョカキョク(東京特許許可局)」だからです。これを得意そうに教えてくれたのは、幼き日の2歳上の東京の従兄弟でした。彼とはここ十年ほど、没交渉になっていますが、不思議なほど、半世紀以上も前の会話を鮮明に思い起こします。つい昨日のことのように。本当の昨日の記憶は、既におぼろになっていても・・・です(こんな調子で大丈夫かな)。

 ところでホトトギス、漢字で書くと「不如帰、蜀魂、子規」。他にも色々な表記や異名がありますが、大昔、蜀の国の王様が王位を追われ、失意の内に死去。その魂が鳥となり「帰るにしかず(不如帰)」と血を吐くまで鳴き続けた。そこからこの鳥のくちばしが赤くなったのだ、とか。
俳人の正岡子規は結核で血を吐くようになったため、そんなホトトギスに自らをなぞって「子規」命名した由。これは高校時代の現国の授業で聞いた話です・・・。

 この季節、輝く新緑を見上げ、初鰹をおいしく食し、ホトトギスの音に耳を傾けましょう。鳴き声がまだ聞こえないなら「鳴くまでまとうホトトギス」と、のんびり行きましょう。5月病にはご用心! 主も言われます。「空の鳥を見なさい・・・」そして「思い悩むな」(マタイ6章)と。


☆5月7日説教「友なるイエス」要約:

「わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである」(ヨハネ福音書1515

 イエス様は御自身に関わるすべてのことを、弟子たちに語られました。そして宣言されたのです。「わたしはあなたがたを友と呼ぶ」、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」と・・・。



by aslan-simba | 2017-05-02 08:21 | Comments(0)

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