2017年 04月 18日
復活祭の季節と聖霊
古都・京都では葵祭(5月)、祇園祭(7月)、時代祭(10月)が三大祭りと言われます。それぞれに独自の歴史と豊かな季節感を表す祭りです。 キリスト教にも三大祭りがあります。クリスマス(降誕祭)、イースター(復活祭)、ペンテコステ(聖霊降臨祭)です。その日本語名が示す通り、キリストの受肉、復活、そして昇天後の聖霊の派遣がテーマとなっています。ただ、それらは元々あった季節の祭りに、キリストの生涯が結び付けられたものです。
時期は、クリスマスが12月25日で固定されます(元はローマの冬至祭の日でした)。他の二つは、年により日付の変わる移動祭日(moveable feast)で、イースターは「春分の日後の最初の満月の次の日曜日」、イースター50日後の日曜が、聖霊が降ったペンテコステです(これらはユダヤ教の「過ぎ越しの祭」と「五旬祭」に対応します)。
ところでヨハネ福音書20章19-23節を読むと、復活して弟子たちに顕れたキリストは、ペンテコステの日を待たずにすぐ、彼らに聖霊を授けたとされます。「イエス、弟子たちに現れる」と小見出しが付いたその箇所(新共同訳)で、復活の主は「彼らに息を吹きかけて・・・『聖霊を受けなさい』」と述べたとあります(22節)。ちなみに聖霊を受けるとは「命の息」に与ることで、不安や恐れ、悲しみから解放され、キリストの平安の内に新たに生まれ変わることです(創世記2:7、エゼキエル書37:10)。
このように、復活祭の光の只中で、弟子たちに聖霊が与えられたということは、聖霊が復活の「命の霊」、「力」であり、私たちにとって如何に大切なものであるかを告げています。なおイースターは西欧において、自然の甦りを告げる古くからの春の祭りとも結びつき、受容されて来ました。私たちの周囲も今、野にも山にも新たな春が生まれています。そんな復活の力に生かされる自然に心をとめ、聖霊の息吹を益々求め、初夏のペンテコステ、さらには冬のクリスマスへとメリハリをもった歩みを続けたいものです。
☆4月23日説教「平安あれ」要約:
「『・・・父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす』・・・彼らに息を吹きかけて言われた。『聖霊を受けなさい』」(ヨハネによる福音書20:21-22参照)
主は、私たちに「聖霊を受けよ」と息を吹きかけ、この世へと私たちを送り出してくださいます。そのことがあの日、彼らに起こり、そして主の日の礼拝において私たちに起こるのです。