新たな月、昼間の日差しは未だ強いものの、猛暑は陰りを見せ、朝夕の空はさわやかな季節を告げています。
カレンダーを括りながら、ふと思います。「歴史に繰り返しはない」・・・天地創造以来、世界が終末へと動いているのなら。そして、その中にある私たちも、生まれてから死ぬまで、繰り返しのない時間軸を進んでいるのでしょう。
ただ、そんな時間の流れの下でも、私たちを囲む自然環境は、ある一定の周期で繰り返しがなされているのも事実です。それを測るため、古人は天体や自然の移ろいを基礎に暦を作り、生活上の指針としました。その一周期の中に特別記念日、祭日等による区切りを設定したのです。この世界にはそんな幾通りもの暦があります。
昔の日本人は、大陸から伝わった月の満ち欠けによる太陰暦、旧暦を採用。そこに生じる1年周期のズレを修正して、四季区分設定のために1太陽年を24等分する二十四節気という手法を用いました。 現在の私たちは太陽の公転に基づく太陽暦、新暦を用いていますが、この二十四節気は今の暦の中にもなお生きづいています。それによるとこの9月9日は「重陽の節句」「菊の節句」にあたります。桃(3月3日)や端午(5月5日)の節句ほどメジャーではありませんが、かつてはこの9月9日の節句は、非常にめでたいものとされたそうです。というのは、易学上9は最高の陽数(奇数は陽で9は最も大きな陽。ちなみに偶数は陰)で、その9が二つ重なる日だからです。
またこの節句のシンボルである菊は、邪気を払うとされ、菊鑑賞は縁起がよいと喜ばれたとのこと。但し、明治に採用された新暦では開花時期がずれるため、この日が一般では祝われなくなった由。 なお教会暦によると、その前日の9月8日が「聖母マリアの誕生日」です。カトリックや東方正教会では、今もこの日を大事にしています。伝承によると、マリアは信仰厚い年老いた夫妻のもとに生まれたそうです。
さて、最高の節句とマリアさまの誕生日の存在に気づいた今年の9月、何か良いことがありそうな予感がします。今、新たな季節の風もそよぎ始めました。
☆9月4日説教要約「主の招き」「・・・宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる」(ルカ福音書14:13-14)
厚意を受けても、感謝をもって受け取る以外に何もできない。それは神の御前における私たちのことです。御国へと招かれている幸い・・・ありがたいことです