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Those were the days

 聖書の天使に関する記述を調べつつ、ふと独特な曲調の「悲しき天使」という歌を思い起こした。数年前にも、テレビCMでそのメロディーを耳にしたが、流行したのは半世紀近く前、昭和40年代中頃。受験勉強をしながら耳を傾けたラジオの深夜番組でよくかかっていた。当時、英国の女性歌手の歌のみならず、日本人歌手の日本語カバーもよく流れたものだ。

 「木枯らしの街を行く 一人ぼっちのわたし 思い出の広場で 一人足をとめる 思い出すのはあの日のこと 暖かい恋の夢 春の風と鳥の歌・・・」と歌詞がすぐに口をつくが、梅雨の今の時期に口ずさむには、何とも季節外れ・・・。

 では元の英語曲の歌詞はどうだったのかと、ネット検索して聞く(今は便利な時代だ)。 耳にした歌は、日本語歌詞とはイメージが随分異なっていた。そこには居酒屋で歌い、踊り、友だちと夢を語り明かした昔を懐かしく振り返る人の、感慨深げな思いが描かれていた。

 「愛しき友よ あの頃の日々 私たちはそれが永久に続くと思っていた。いつまでもこのように歌い踊り 生きたいように生きられる、と。 人生の闘いに決して負けるようなことなどないと思っていた 私たちは若かった。自信があった。そんな日々だった・・・」。そしてそんな若き日々を、「あの頃は良かった」「あの頃が懐かしい」(Those were the days)と歌うのである。若いメリーホプキンという歌手が、これを歌い上げていた。すごい・・・。

 というわけで、英語の歌詞に限れば「悲しき天使」ではなく、「悲しき中高年」・・・。季節外れではなく、私たちの人生の季節感からすれば丁度今だ。ちなみに英語の曲名は上述の「Those were the days」。

 「あの頃が懐かしい」・・・あの若い日々は終わり、人は年を重ねる。人だけではないすべてが変わり行く。美しい花も、やがてはしぼみ、立派な建物も、いつかは朽ち行く。まさに諸行無常、そんな世界に私たちは身を投じている。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」。

 しかし、この歌には、老けた我が身を前にしても「心の中の夢は今も変わらない」というくだりがあった。それがイザヤ書の御言葉と共振するのを覚える。「主に望みをおく人は新たな力を得 鷲のように翼を張ってのぼる。走っても弱ることなく、歩いても疲れない」(40:31)と。


☆6月19日説教「和解の言葉」要約:
「神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません」(コリント信徒への手紙二6:1)。
 私たちは神さまの一方的な恵みによって「神と和解」させて頂き、神と共に生きることが許されている。この先、世界がいかに変わろうとも、人生に何が起ころうとも、この信仰に生き、神からいただいた恵みを無駄にせず、どこまでも主と共に誠実に歩み続けたいものだ。
by aslan-simba | 2016-06-15 13:21 | Comments(0)

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