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お正月

 大晦日までのざわめきが静けさに変わり、年は改まりました。新年のお慶びを申し上げます。

 お正月を迎えるとすがすがしい気分になりませんか。「なんとなく、今年は良い事あるごとし。元旦の日晴れて風無し」(石川啄木)と・・・。子供の頃は文字通り、そんな思いでお正月を過ごしました。お年玉も嬉しかったし、正座してお屠蘇とお雑煮を頂くのも楽しかった。

 実家のお雑煮は、角餅を入れたしょうゆ仕立て、具は里芋と小松菜でした。普通なら鶏肉も入っておかしくないのですが・・・。父によると、江戸の大火の後(いつの大火?)、贅沢すると徳川さまに申し訳ないと、こんな質素な雑煮が江戸の習慣となった由。「これこそ、本物の江戸っ子の雑煮なんだよ」と語りながら、お雑煮を食べていた父の笑顔を思い出します(今の私は江戸前雑煮より、関西のお雑煮の方が好きですが・・・)。

 あの頃の正月風景も脳裏に浮かびます。家々の玄関や門前には「門松」が置かれ、玄関口には「しめ飾り」。道行く車にも小さな「しめ飾り」が付けられていました。

 また父と私は元日には早起きし、晴れ着に着替える前に、家の前に日の丸を掲げました。縞模様の旗竿を取り出し、先に金色の玉を射し込み、旗紐を結ぶ。あの時の誇らしい思い、今も懐かしく覚えています。昭和30年代~40年代初めの頃のことです。

 いつしかそのような正月の光景も消えてしまいました。そういった事に伴ない、先人から継承した生活の知恵や伝統を置き忘れ、また私たちの礎となったその先人たちへの感謝の思いも希薄になったようです。全ては目先の事と効率だけを優先してしまい・・・。

 そのような現実に裏付けられた出来事を、昨年最後の週に知らされ、驚かされると共に、一国民として本当に情けなくも思いました。

 私たちはどこまでも「蛇のように賢く、鳩のように素直に」(マタイ10:16)この国に生きる信仰者としての誇りと節度を大切にして、歩んで行きたいものです。 この新しい年「我らの行く先 定かに見えねど、導く光に 身を委ねまつらん」(讃美歌411)と心に刻み、祈りつつ、希望を捨てずに・・・。



☆1月3日説教「福音の初め」要約:
「神の子イエス・キリストの福音の初め」(マルコによる福音書1:1)
 福音とは「喜ばしい知らせ」、Good Newsを意味するギリシア語から来ています。イエス・キリストの出来事一切が、その「福音」なのです。それは私たちに、生ける神を示し、真実の命と大いなる希望を与えてくれます。そして、その知らせによって実現した喜びの生活の指針が、この教会の礼拝に確かにあると信じます。
by aslan-simba | 2016-01-01 01:11 | Comments(0)

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