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回り道

  子供の頃、学校からの帰り途、友だちとよく回り道をしました。路地裏に入って不思議な空間を探してみたり、興味をそそるガラクタを見つけたり、猫を追いかけたつもりで逆に、野良犬に追われたようなこともあります。そんな回り道には、喜びや驚き、またわくわくするような出合いがありました。学校では学べない社会経験をしたように思います。

  翻って、人生の歩みにおいても、結構回り道を経ながら、今の自分へと至ったと思います。その間、いろいろと不安もありましたが、ただ「ひたすら前に進もう」という思いで歩んで来ました。神さまの導きとは妙なるものです。

  思えば聖書にも、壮大な「回り道」の物語が記されています。モーセに率いられた出エジプトの出来事です。地図を見ると、エジプトからカナン(パレスチナ)まで、直線距離で約300キロ。多少ゆっくり歩いても、おそらくは一、二ヶ月もあれば到達できる距離だと思います。しかし聖書によれば、エジプトを出てカナンに入るまでに、四十年間も要しているのです。「約束の地」に入るためには、相応以上の経験や学びが必要だった、ということかも知れません。しかし、「主は彼らに先立って進み、昼は雲の柱をもって導き、夜は日の柱をもって彼らを照らされたので、彼らは昼も夜も行進することができた。昼は雲の柱が、夜は日の柱が、民の先頭を離れることはなかった」(出エジプト13:21-22)、またモーセは出エジプトの民に、こう語っています。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい・・・」(14:13)と。

  私たちの回り道の人生も、何とかここまで来ましたが、この先、何が起こるか分かりません。現実は、「板子一枚(いたこいちまい)下は地獄」です。それでも私たちには、主が共にいて下さいます。「あなたの御国への歩みは守られている。進むべき道は拓かれて行く。信頼して進め」との促しが示されます。だから、約束の御国に必ず迎え入れられることを信じ、希望もって、さらなる一歩を明日へ向けて踏み出しましょう。



☆5月25日説教「霊の賜物」要約:
「賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です」(コリント信徒への手紙一12:4―6)

  個々の賜物、務めは違っていても、私たちは皆、同じ神さまに仕えています。そして、すべては、「同じ神の働き」が現れるためなのです。今、私たちが心したいのは、「同じ」という事です。同じ方向に向って、互いに力を合わせる時、その働きはさらに大きく祝福されるのです。
by aslan-simba | 2014-05-21 21:44 | Comments(0)

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