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美徳以為飾

 六月、ジューン・ブライドの季節。欧米ではこの月に結婚する花嫁は幸せになるという。私も卒業生の司式依頼を受けた。光栄なことである。祈りつつ準備したい。
 以前、結婚式の「式文」(1959年初版)で「夫婦の務めに関する聖書の教え」として、よく読まれていた聖書箇所があった。「妻たる者よ。夫に仕えなさい。そうすれば、たとい御言に従わない夫であっても、あなたがたのうやうやしく清い行いを見て、その妻の無言の行いによって、救に入れられるようになるであろう。あなたがたは、髪を編み、金の飾りをつけ、服装をととのえるような外面の飾りではなく、かくれた内なる人、柔和で、しとやかな霊という朽ちることのない飾りを、身につけるべきである。これこそ、神のみまえに、きわめて尊いものである」(ペトロ一3:1-4口語訳)。もちろん、「夫たる者よ・・・」(3:7~)の勧告も引き続き読まれる・・・。ただし、現行の「式文」(2006年初版)にはこの聖句の引用はない。時代による人間意識の変化も感じられる。
 ところで、大河ドラマで知られる新島八重が、郷里福島県会津にある女学校に遺した書がある。それは「美徳以為飾」だ(八重は「美徳を以って飾りとせよ」と読み下している)。昭和3年、亡くなる二年前の八重84歳の書である。これは夫の新島襄も好んだ言葉と八重は述べているが、ちなみに、その出所は上述のペトロの手紙一の箇所3:3‐4の箇所。
 若い時は藩のために銃をもって戦い、京都での結婚後は夫を助け(時に足を引っ張り・・・)、夫に先立たれてからは率先して国家と社会に奉じた八重。波乱万丈の生涯を送った彼女は、この御言葉をもって自らの人生の歩みを顧みていたのかも知れない。
 「美徳を以って飾りとせよ」、「内面の美徳によって自らを装え」、今の時代、あらためてこの言葉の重さを思わされる。これから結婚する女性、いや男女を問わず、さらには老若男女すべてにこの言葉をおくりたい。


☆6月6日説教「癒やされて」要約:
「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい」(マルコによる福音書5:19)。
 あのゲラサの男のところに来られた主は、私たちのもとにも来て下さいました。だから、私たちには希望があります。もはや自縄自縛に陥ることはない。一人で人生の問題に格闘する必要はないのです。ただただ「主の憐れみ」をこい願えばよいのです。イエスさまは私たちを死臭漂うような人生から引き出し、御国への希望の道へと送り出して下さったのです。
by aslan-simba | 2013-06-05 12:34 | Comments(0)

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