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レント好日

 桃の節句、ひなまつりが近い。それでも、寒さひとしおの今日この頃の気候。ふと、「早春賦」を口ずさむ自分に気づかされる。「春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず・・・」と。やはり本格的な春の到来は、復活祭まで待たねばならないのだろうか。
 ところで、『語源辞典』によると、復活祭を意味する英語の「イースター(Easter)」の語は、北欧のゲルマン神話に登場する「曙の女神」「春の女神」の名「エオストレ(Eostre)」に由来するとのことだ。つまり、「イースター」の中にこそ、明るい光とあたたかな春の喜びが含まれているのを意味するのであろう。今年は3月31日が復活祭(イースター)、その光輝く春の日々の訪れまで、あとひと月ほどの辛抱だ。
 今しばらくはレント(受難節)の日々が続く。日曜日を除く40日間にわたるこの期間、主イエスの十字架のみならず、40日間の荒れ野の誘惑(マタイ/ルカ4章)、旧約聖書の民の40年におよぶ荒野の旅路(出エジプト記、申命記参照)にも思いを馳せたい。そして、祈りと克己の思いますます強め、悔い改めてと感謝の信仰を深めたいものだ。無論、それは「苦行の日々を過ごせ」ということではない。
 「日々是好日(にちにちこれこうにち)」(雲門禅師)という禅語を思い起こす。この語の意味するのは、単に「毎日を好い日と受け止めよ」ではないそうだ。それは、もし今が辛い逆境の時なら、そこに順境の日には得られない価値と意義を見出し、そこにも「生きる喜びを得よ」なのだという。私たちにとってのレントは、まさにその意味を深く学ぶ時でもあろう。そして「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」(コリント二6:2)であることを、あらためて確かめるのである。
 今朝も気温は低かった。平年以下と聞く。しかし日足は伸び、木々のつぼみがふくらみ始めていることに気づく。自然は神さまの恵みを十分知っているようだ。今、季節は復活と希望の春へと向かって着実に動き出しているのである。



☆3月10日説教「恵みへの信頼」要約:
「神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。・・・あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい」(テモテへの第二の手紙1:9、14)
 神さまはご計画の下に、私たちを救い、導きを与えて下さっています。このすべてに先行する「神の恵み」と私たちの内に住まわれる「聖霊」への確かな信頼をもって歩んでまいりましょう。道は必ず開かれます。
by aslan-simba | 2013-02-26 08:16 | Comments(0)

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