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春の朝

長く寒い冬が終わり、本格的な春を迎えました。おだやかな日差しの温かい朝は、本当に気持ちの良いものです。「春眠暁を覚えず」と寝過ごすのも一興でしょうが、早起きして、「春の朝」の時間を大事にしたいものです。 明治の文学者、上田敏が翻訳した英詩に「時は春、日は朝(あした)、朝(あした)は七時、片岡(かたをか)に露みちて、揚雲雀(あげひばり)なのりいで、蝸牛枝(かたつむりえだ)に這(は)ひ、神、そらに知ろしめす。すべて世は事も無し。」(『春の朝(あした』)とあります。この時期に思い起こす美しい詩です。原詩は19世紀の英国を代表する詩人ロバート・ブラウニングの「ピッパ過ぎ行く(Pippa passes)」という劇中詩で、ピッパという名の貧しく純真な少女が、丘を上りながら詠うという設定でした。 麗しい春の自然・・・「七時」とは明るい朝を示す象徴的な時間でしょう。その丘の斜面から見渡す光景を詠いあげた後に、この季節を、自然を、動植物そして私たちを造られた神さまを讃美し、「神、そらに知ろしめす。すべて世は事も無し」と閉じられます。この部分の原詩は「神は天におられる。この世はすべて大丈夫だ。(God's in His Heaven---- All's right with the world!)」です。まさに摂理の信仰、「万事を益として下さる神」(ローマ8:28参照)へゆだねる信仰を、「春の朝」が告白させるのです。思えば、主イエスが死から「起き上がられた」のも春の朝(「復活」の原語「エゲイロー」は「起き(立ち)上がる」の意味)。今、自然は「復活の時」の中にあります。全てが良き方向へと導かれていることを信じます。 「春の朝」、ゆったり流れる季節、朝日を浴びながら、私たちも立ち上がってまいりましょう。

原詩
The year's at the spring And day's at the morn: Morning's at seven: The hill-side's dew-pearled: The lark's on the wing: The snail's on the thorn: God's in His Heaven---- All's right with the world! 
Robert Browning (Pippa passes 1841)


☆4月15日説教「見えないものに」要約:
「わたしたちは、このような宝を土の器に納めています」(コリント二4:7)
私たちは脆く、弱く、壊れやすい「土の器」のような存在です。それでも感謝なことに、その中に「宝」を戴いているのです。この「宝」について聖書はこう語ります。「『闇から光が輝き出よ』と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました」(4:6)と。この神さまが与えて下さった「神の栄光を悟る光」こそが、土の器に盛られた「宝」・・・それは私共の「信仰」を意味するのです。
by aslan-simba | 2012-04-12 17:36 | Comments(0)

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