<   2013年 02月 ( 5 )   > この月の画像一覧

レント好日

 桃の節句、ひなまつりが近い。それでも、寒さひとしおの今日この頃の気候。ふと、「早春賦」を口ずさむ自分に気づかされる。「春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず・・・」と。やはり本格的な春の到来は、復活祭まで待たねばならないのだろうか。
 ところで、『語源辞典』によると、復活祭を意味する英語の「イースター(Easter)」の語は、北欧のゲルマン神話に登場する「曙の女神」「春の女神」の名「エオストレ(Eostre)」に由来するとのことだ。つまり、「イースター」の中にこそ、明るい光とあたたかな春の喜びが含まれているのを意味するのであろう。今年は3月31日が復活祭(イースター)、その光輝く春の日々の訪れまで、あとひと月ほどの辛抱だ。
 今しばらくはレント(受難節)の日々が続く。日曜日を除く40日間にわたるこの期間、主イエスの十字架のみならず、40日間の荒れ野の誘惑(マタイ/ルカ4章)、旧約聖書の民の40年におよぶ荒野の旅路(出エジプト記、申命記参照)にも思いを馳せたい。そして、祈りと克己の思いますます強め、悔い改めてと感謝の信仰を深めたいものだ。無論、それは「苦行の日々を過ごせ」ということではない。
 「日々是好日(にちにちこれこうにち)」(雲門禅師)という禅語を思い起こす。この語の意味するのは、単に「毎日を好い日と受け止めよ」ではないそうだ。それは、もし今が辛い逆境の時なら、そこに順境の日には得られない価値と意義を見出し、そこにも「生きる喜びを得よ」なのだという。私たちにとってのレントは、まさにその意味を深く学ぶ時でもあろう。そして「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」(コリント二6:2)であることを、あらためて確かめるのである。
 今朝も気温は低かった。平年以下と聞く。しかし日足は伸び、木々のつぼみがふくらみ始めていることに気づく。自然は神さまの恵みを十分知っているようだ。今、季節は復活と希望の春へと向かって着実に動き出しているのである。



☆3月10日説教「恵みへの信頼」要約:
「神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。・・・あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい」(テモテへの第二の手紙1:9、14)
 神さまはご計画の下に、私たちを救い、導きを与えて下さっています。このすべてに先行する「神の恵み」と私たちの内に住まわれる「聖霊」への確かな信頼をもって歩んでまいりましょう。道は必ず開かれます。
[PR]
by aslan-simba | 2013-02-26 08:16 | Comments(0)

レント...寒梅の花

新聞記事に「春本番も遠くない。寒風にこごえそうな梅の花が、季節の移ろいを教えてくれた気がした」とあった。ちょうど今、早春の風情を漂わせる「花」の季節を迎えている。
 「花」と言えば「桜」を思い浮かべる人は多いと思うが、古い時代の日本人には「梅」を意味したという。寒中に花咲くその凛とした佇まいを、私たちの祖先は愛でてきたのである。・・・万葉の時代は白梅が、平安時代には紅梅が好まれたと言われる。
 『万葉集』には、梅の花の歌が119首もある。たとえば大伴旅人(おおとものたびと)は、「雪の色を、奪ひて咲ける、梅の花、今盛りなり、見む人もがも」、すなわち「雪の白さを奪い取るように、美しく白い梅の花が咲いている。見る人がいればよいのだが」と清楚な孤高の花として讃えている。禅語にも、梅に関する言葉は多い。「一枝の梅花 雪に和して香ばし」には、雪と一体となったその気高い姿が見事に示されているようだ。
 ところで、梅を愛した同志社の新島襄の漢詩に、「真理は寒梅の似(ごとし)、敢えて風雪を侵して開く」とある。これは彼が教え子の学生、深井栄五(後に、日銀総裁となった人物)におくった詩である。牧師だった新島にとって「真理」とは、「我は道なり、真理なり、命なり」(ヨハネ14:6)と語られたキリストの事だろう。つまり、梅の花とイエス・キリストが重ねられているのだと思う。厳しい寒さに負けず、雪や霜にも耐えしのぎ、復活の春を告げる梅の花・・・「百花の魁(ひゃっかのさきがけ)」と言われるその毅然とした姿に、主イエスが見えるのである。
 このレント(受難節)の時、私たちも梅を見上げながら、筆舌しがたい艱難辛苦に耐え抜かれた主の受難と十字架を覚えたい。そこから梅の花、真理、キリストの示す強さを学び、感謝と悔い改めの心を確かにしつつ、主にあって自らを正して行きたいものである。


☆2月24日説教「強くあれ」要約:
「最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身につけなさい・・・だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、しっかり立つことができるように」(エフェソの信徒への手紙6:1,2,13)
 私たちの人生には理不尽な力が挑んでくることがあります。それを聖書は「悪魔の策略」だといいます。どういうことか。それは、人間同士が憎み合い、いがみ合い、傷つけ合っている背後には、悪魔の働きがあるということなのです。しかし恐れることはありません。私たちは「神の武具」を頂いているのです。
[PR]
by aslan-simba | 2013-02-22 08:26 | Comments(0)

十字架の主が共に

 人は感謝を忘れると、他人をうらやんだり、不平不満をつぶやいたりします。辛いことがあれば「何で自分だけがこんな辛い目に遭わないといけないのだ」などと愚痴をこぼします。 あたりまえのことですが、人生の歩みには、嬉しいこと、楽しいことだけではなく、悲しいこと、苦しいことも付きまとうものです。だからどんな時も、主イエスが共にあることを思い起こして下さい。また、こんな身勝手で弱い私たちを救うために、主が十字架にかかって下さったことを憶えて欲しいのです。 
 「わが神、わが神、なんぞ我を見棄て給ひし」(マルコ福音書15:34)・・・十字架の主は、そう叫ばれたと聖書は記します。自分の身に起こることを知りつつも、最後の最後まで神に問いかける祈り、何とすさまじい事でしょうか。それにしても、神の御子が十字架で殺されるという、この不条理・・・しかし神学者ユルゲン・モルトマンはこの聖句から深く示されました。1945年、祖国の敗戦をベルギーの捕虜収容所で迎えた彼はその時、この箇所を読んでいたそうです。「イエスの死の叫びの箇所にきたとき、私は知った。他の誰もが自分を見捨てても、どこまでも自分を理解し、そばにいてくださるお方がいることを・・・このイエスこそ、私たちが窮地にあるときの、神にある兄弟であるとはっきりわかった。・・・私に希望がわき始めたのは、人間の目から見たら希望を見出す余地などほとんどない時だったのである」と。主の十字架は私たちの絶望を希望に変えます。 
 主は、私たちが本当に赦され、本当に救われるために、十字架上で、未曾有の苦しみと痛みと嘆きを経験されたのです。言葉では言い尽くすことのできないほどの有難い出来事ではないでしょうか。 ・・・そして今、私たち一人の一人のためのイエス・キリストの祈りがあります。「わたしの御名を彼らに知らせました。また、これからも知らせます。わたしに対するあなたの愛(神の愛)が彼らの内にあり、わたしも彼らの内にいるようになるためです」(ヨハネ福音書17:26)。


☆2月17日説教「ノアの物語』要約:
「雲の中に虹が現れると、わたしはそれを見て、神と地上のすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた永遠の契約に心を留める」(創世記9:16)
 今日もなお、人間の罪ゆえに、苦しみと嘆き尽きることのない世界・・・しかし、そこにも繰り返し虹が立つ。それは、この地に対する神の愛と憐れみが変わらずにあることを示す。さらに、この地上に、罪の贖いのための十字架が立てられたことを私たちは知っている。そうなのだ! 私たちは今ここに神の憐れみの中に生かされ、救いの御言葉によって育まれているのである。


★教会暦では13日(水)よりレント(受難節、四旬節)に入りました。世の罪を担って下さった主イエス・キリストの御苦しみと十字架のご受難を心に刻み、私たちの悔い改めと感謝の信仰を深める時です。どうぞ、この機会に教会にお越しください。なお、今年のレントの期間は3月30日(土)まで。イースター(復活祭)は3月31日(日)です。
[PR]
by aslan-simba | 2013-02-15 10:43 | Comments(0)

羊...

「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。」(ルカ福音書15:4-6)。
 ルカが語る「見失った羊」の譬えです。羊が私たち、羊飼いがキリストに喩えられています。また聖書には、キリストご自身を象徴的に「小羊」と呼ぶ箇所もあります(ヨハネ1:29他)。そのように「羊」は聖書全体を通して何度も登場します。聖書の世界の人々にとって、実に身近な動物だったのですね。私たちは、その「羊」を、どのように理解しているでしょうか。 
 もっとも、私たちが羊をみるのは普通は動物園ぐらいでしょうか。イラストに登場する羊は大抵、かわいらしく、ふわふわした感じに描かれますが・・・それ以上の事はよく知らない。羊とヤギの違いも、あいまいです(両方とも鳴き声は「メー」なのかな?・・・)。日本に暮らす私たちにとって羊は縁遠い動物なのです。ちなみに欧米の人たちは、詩や歌(たとえば、「メリーさんの羊」Mary had a little lamb)などから分かるように、素直で従順で弱々しい動物のイメージをもつようです。 
 但し実際に羊を飼っている方の話によると、その特性はむしろ頑固でわがままなところにあると言います。力も決して弱くなく、てこでも動かず、言う事は聞かず、飼いならすのに案外手間のかかる動物なのだそうです。羊を人間にたとえた場合、この現実の羊の姿は、ぴったり来ます。確かに私たちは、得手勝手な自己中心的なところがあり、それで時に道に迷う。だからたえず羊飼いを心配させ、苦労をかけているのです。けれどもそんな私たちを憐れみ、その救いのために、神は「羊飼い」である「世の罪を取り除く神の子羊」として御子を遣わされたのです。「わたしたちは羊の群れ 道を誤り、それぞれの方角に向かっていた。そのわたしたちの罪をすべて 主は彼に負わされた」(イザヤ書53:6)。それこそがイエス・キリストの十字架の出来事なのです。なんとも畏れ多いことです。


☆2月10日説教「嵐の中で」要約:
「イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、『黙れ。静まれ』と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。イエスは言われた。『なぜ怖がるのか。まだ信じないのか』」(マルコ福音書4:39-40)
 主イエスは、弟子たちが本気で「信じること」を願っておられました。それは「凪ぎ」になったゆえに信じるのではなく、「凪ぎ」になる前から、しっかりと信仰に立つことを求めておられたのです。言い換えれば、弟子にとって本当に大事なことは、嵐から救出されること以上に、嵐の中にあってもなお主を信じる者とさせて頂くことなのです。心したく願います。
[PR]
by aslan-simba | 2013-02-09 08:23 | Comments(0)

手袋を買いに

寒い日の外出、ずっとポケットに手を入れていた。思えば、ここ十数年来、手袋を所有していない。小学生の頃も手袋をするのが面倒で、しないままに過ごし、ひどい「しもやけ」になった記憶がある・・・。ふと新見南吉の童話『手袋を買いに』が心の中に甦ってきた。こんな内容のお話である。 森の冬、銀きつね親子の住む森・・・「お手々が冷たい」と訴える子狐に、母狐は人間の街にある手袋を買ってやろうと決意をする。そして、子狐の片手を人間の手に変え、白銅貨二枚持たせ、人間の前では決してきつねの手の方を出してはならないと話す。「人間はね、相手がきつねだと分かると・・・掴まえて檻の中に入れちゃうんだよ、人間ってほんとに恐いものなんだよ」と。かつて母狐は、人間にひどい目に遭わされた経験があった。 さて、その晩、ひとりで人間の街に初めて来た子狐は、目当ての店の前に辿り着き、戸をたたく。そして、「このお手々にちょうどいい手袋下さい」と言うのだが、店の中からもれてくる光のまぶしさに、間違えて狐の手の方を差し出してしまう。それでも店の人は子狐の持参したお金が木の葉でないことを確認し、手袋を持たせてくれた。そこで子狐は、人間が恐くないと気づくのである。 帰りがけに、通りすがりのある家から、人間の母親の子どもを寝かしつけるやさしい声が聞こえて来た。「森の子狐もお母さん狐のお唄をきいて、洞穴の中で眠ろうとしているのでしょうね・・・」、それを聞いて子狐は母狐が急に恋しくなり、一目散に森へ戻る。 子狐は自分を心配しながら待っていた母狐に、「母ちゃん、人間ってちっとも恐かないや」と語り、人間の街での出来事を話す。すると母狐はこうつぶやくのだ。「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら」と。 お読みになった方も多いだろう。私たちの日々の思いが「しもやけ」にならないようにと、温さで包んでくれるような物語である・・・。


☆2月3日説教「いやしの奇跡」要約:
「人の子が地上で罪を赦す権威をもっていることを知らせよう。」(マルコ福音書2:10)
主イエスは、罪の赦しを神の権威をもって宣言された。しかし、主は知っている・・・神は赦しの神であるゆえに、この世界に罪の赦しを与えるために、その独り子を罪の贖いとして十字架につける神でもあることを。主は、その神の御心に生きる独り子として、罪の赦しをここに宣言されるのである。
[PR]
by aslan-simba | 2013-02-01 07:21 | Comments(0)

〒612-8006 京都市伏見区桃山町大島86-29             京阪桃山南口より徒歩8分 ほっこりした教会、牧師の飼い犬です。
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28