Gelassenheit=放下

苦難や困難との出会いは、人生の歩みに付きまとう。大切なのは、その中で如何に平静を保ち、冷静に事柄に対処できるかなのである。 「ゲラッセンハイト」(Gelassenheit)というドイツ語がある。その「平静」や「冷静」を意味する語だが、中世のキリスト教神秘主義者たちはこれを、「我執を捨て、神に委ねきる」境地として用いた。その代表者エックハルトはいう。「それゆえ私たちの主はこのように言ったのだ。私の弟子になりたい者は、自分を捨てなければならない、と」(マルコ8:34参照)。この意味でこの言葉は、禅語の「放下」(ほうげ)とも訳される。 最近知ったのだが、ドイツ系移民のアーミッシュの人々も、このゲラッセンハイトを自分たちの信仰の核にしているそうだ(池田智『アメリカ・アーミッシュの人びと』)。周知の通り、彼らは現代文明に無縁な昔ながらの質素な暮らしを今も続ける。また、昨年起こった学校での銃撃事件の際、年長の少女が他の生徒たちを助けるために、自ら犠牲を申し出たニュースも記憶に新しい。それらの理由の一端も、ここに垣間見られるようだ。 なお、私たちも私たちなりに、信仰的ゲラッセンハイトに生きることは可能だろう。根底に据えるのは、<いのち>の根源への徹底した信頼である。そして、そこから現実を生きる大きな力に与るのだ。「安らかに信頼していることにこそ力がある」(イザヤ30:15)とは、このことである。
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by aslan-simba | 2007-11-09 16:48 | Comments(0)

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