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勿体ない

「勿体ない」・・・子供の頃、水道の水を出しっぱなしにして遊ぶ私を、祖母がそう言ってたしなめた。「もはや戦後ではない」と言われていた頃の話。やがて、大量生産、大量消費の時代を迎え、私たちはいつしか「使い捨て」に慣らされていった。 今、「もったいない」が脚光を浴びている。物や資源を無駄遣いせずに、大事にする。環境保護や自然との共生の実践。それが「もったいない」と表現される。この「Mottainai」を国際的に提唱するマータイさん、その理念を県政に生かそうという滋賀県知事、さらには「もったいないブランド」のリサイクル商品や歌、「もったいない研究所」まで耳にする。 ところで、「勿体ない」は、また別の場面でも使用される。それは、「身に過ぎて畏れ多いこと。かたじけない。有難いこと」として。私は、「勿体ない」の中心はここにあると思う。これを理解することによってこそ、「もったいない」は定着するはずだ。 宮司で宗教学者の薗田稔氏は、「『もったいない』という言葉は本来、単に物を節約すると言う意味だけでなく、命をもったいないと思う日本人の心が込められた言葉」、「動物にしても植物にしても、あるいは物にしても、その奥に魂を見出して大切にする」生命観である、と語る(『現代宗教評論』1号)。同感だ。なお、私は、それに加えて、主イエス・キリストの十字架という象徴的な出来事に、「勿体ない」の極致を見る。取るに足りない自分を生かしてくださる主の十字架の重さ・・・本当にかたじけなく、筆舌尽くしがたいほど有難い。
by aslan-simba | 2007-07-21 10:44 | Comments(0)

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