人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カイロスを知る

  1月も下旬、新しい年も最初の月が終わろうとしています。「歳月人を待たず」「光陰矢の如し」等と言われますが、時の経過は本当に早いもの。その「流れ行く時」をギリシャ語で「クロノス」と言います。英語のクロック(時計)の元の言葉で、時計の針が刻々と刻む時を指します。それは60分で一時間、24時間で一日、365日で一年となって過ぎ去ります。あらためて、クロノスの中で右往左往しながら過ごしてきた(否、今なお過ごしている)我が人生の日々を思います。「諸行無常の響きあり・・・」と。

 ところでギリシャ語にはもう一つ「カイロス」という、「特別な時」を表す言葉もあります。これは天によって定められた機会、「ここぞのチャンス」の時を指す言い回しです。 聖書は、このカイロスを、神の決定的な働きが行われる時点として語ります。主イエスは宣教の第一声を次のように宣言されました。「時(カイロス)は満ち、神の国は近づいた」(マルコ1:15)・・・。使徒パウロも記します。「時(カイロス)が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました」(ガラテヤ44)と。

 それは、私たちの生きる、過ぎゆく時間「クロノス」の流れの中に、神の時、救いの時、「カイロス」がキリストに在って到来した、ということです。換言すれば、永遠の神が、空しく過ぎ去って行くこの世の時間の中に現れ、神の救いの機会を与えて下さったのです。

 旧約聖書のコヘレトの言葉は、「なんという空しさ・・・すべては空しい」(12)とクロノスの中を生きる人生の不条理を語った後、カイロスについては、「神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた」(口語訳)・・・と記します。私たちには、そのようなカイロスの時が与えられているのです。 「あなたがたは今がどんな時(カイロス)であるかを知っています。・・・今や、わたしたちが信仰に入った頃よりも、救いは近づいているからです」(ローマ1311)・・・。

 過ぎゆくクロノスの中で、なお右往左往しつつも、カイロスを知る者とされている事に感謝しながら、御国を仰いで、笑顔をもって歩み続けたいものです。


128日説教「天を思う」要約:

「あなたたちは下のものに属しているが、わたしは上のものに属している」

(ヨハネ福音書823

 「上のものに属している」方、御子・主イエス・キリストがこの世に来られた。私たちの救いのために来られた。この方を通して父なる神が私たちに語られ、父なる神が、私たちに働かれるのです。感謝


by aslan-simba | 2018-01-22 22:12 | Comments(0)

〒612-8006 京都市伏見区桃山町大島86-29  京阪桃山南口より徒歩8分、ほっこりした教会   天に在る牧師の愛犬たちです。

by aslan-simba