紫陽花の季節に思う

 梅雨の時期を迎えました。この季節に心和ませてくれる花、それが紫陽花(あじさい)です。

 思えば紫陽花は、私の母の好きな花のひとつでした。実家の猫の額のような庭に、その花々が雨に濡れながら細やかな輝きを放っていた光景がよみがえります。奇しくも紫陽花の月、6月に母は亡くなりました。父はよく母のことを「辛抱強い人だ」と言っていましたが、紫陽花の花言葉の中にも「辛抱」があります。 

 ところで紫陽花、
もともとこの国に自生する日本固有の植物だそうです。万葉集にも「あじさい」が二首詠われています。その一つにこうありました。「あぢさいの 八重咲くごとく 八つ代()にを  いませ 我が背子(せこ) 見つつ偲(しの)はむ」橘諸兄(たちばなのもろえ)。大意は「あじさいが八重に美しく咲いているように、末永くお元気でご繁栄されますように。あじさいを見る度にあなたを覚え、お祈りしています」。心あたたまる歌です。遠い万葉の人々思いが紫陽花を通し、時空を超えて伝わってくるようです。

 江戸時代には、長崎出島の
オランダ商館医師、シーボルトがこの花を心底愛しました。長崎で運命の女性・お滝さんと出会ったシーボルトでしたが・・・。やがて国外追放の身となり、彼女との間は引き裂かれます。傷心のシーボルトは、紫陽花に愛するお滝さんの名前を取って「オタクサ」という学名を付し、ヨーロッパに紹介したのです(「長崎公式観光サイト」参照)。以来、西洋でも親しまれるようになった紫陽花は、様々な品種改良を経て、日本に西洋アジサイとして逆輸入されました。 そんな梅雨の花、紫陽花に思いを寄せると、雨の日が楽しみなって来ます。

 「
まるくまるく 形のよいものになろうとする やさしい心の あじさいの花  きのうよりもきょうと新しい色になろうとする 雨の日の あじさいの花」(「あじさい」坂村真民)・・・。

 私たちも紫陽花に倣って、「昨日より、今日、今日より明日へ」と辛抱強く、希望をもって、歩み続けたいものです。「野の花を見よ」と命じられた主イエスが「
神はこのように装って下さるのなら、あなたがたに、それ以上よくしてくださらないはずがあろうか」(マタイ630口語訳)と言われているのを心に刻みつつ・・・。


☆6月18日説教「信仰とは」要約:

「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです」(ローマの信徒への手紙⒑:17

 パウロの時代の宣教手段は、口頭での伝達が大きな位置を占めていました。ですから「聞く」という言葉が使われているのです。今は文字や映像によっても「聞く」ことのできる時代です。大切なのは、神の言葉を心で、聞き取ることです。信仰は、そこに根差します。



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by aslan-simba | 2017-06-13 06:53 | Comments(0)

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