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プラム・レインの季節

 6月、梅雨入り。ついつい「うっとうしい」という枕詞をつけて、この時期を表現しがちですが・・・。「梅雨」の語源は「梅の実が熟す頃の雨」とのこと。「梅雨」の漢字は英語に直すと「プラム・レイン」(plum rain)、何となく詩的な感じがしませんか。

 ともあれ、この季節の雨、大事な働きをします。 都会から田舎へ移り、新たに農業を始めた方が、こんなことを書いておられました。「以前には憂鬱な季節でしかなかった梅雨が、農業を始めると、何とも心安らぐひと時に思えてきた。植物にとって、大切な恵みの季節なのだ」と。「恵みの雨」ですね。古い言葉で言えば恵雨(けいう)、慈雨(じう)でしょうか。

 そういえば聖書にも、そんなありがたい雨に関する記述が数多くあります。わけても旧約聖書の世界、砂漠の雨は文字通り恵みだったことが分かります。「わたしは、その季節季節に、あなたたちの土地に、秋の雨と春の雨を降らせる。あなたには穀物、新しいぶどう酒、オリーブ油の収穫がある」(申命記11:14)、「春の雨の季節には、主に雨を求めよ。主は稲妻を放ち、彼らに豊かな雨を降らせ、すべての人に野の草を与えられる」(ゼカリヤ10:1)・・・。

 この時期、私たちもさまざまな美しい花々と出合います。紫陽花、菖蒲、水芭蕉・・・わけても紫陽花の花は最高です。その鮮やかな七変化を今年も楽しめます。また先日の雨の日、家の近所で白い十字架のドクダミの花が輝いているのを見かけました。思わず「ここもかみの みくになれば あめつち御歌をうたいかわし・・・」と讃美歌が口をつきました。

 そして雨上がりには、カタツムリが登場。「神さまの 大きな御手の中で  かたつむりは かたつむりらしく歩み  蛍草は 蛍草らしく咲き  雨蛙は 雨蛙らしく鳴き  神さまの 大きな御手の中で  私は 私らしく 生きる」、まばたきの詩人・水野源三さんの詩です。

 この時期、あらためて主を見上げ、前向きに、爽やかに歩みたいものです。預言者ホセアのこんな言葉を心に刻みながら・・・。「我々は主を知ろう。主を知ることを追い求めよう。主は曙の光のように必ず現れ 降り注ぐ雨のように 大地を潤す春雨のように 我々を訪れてくださる」(ホセア6:3)。


☆6月12日説教「本当の試練」要約:
「ソロモンが老境に入ったとき・・・彼の心は、父ダビデの心とは異なり、自分の神、主と一つではなかった」(列王記上11:4)
 ソロモン王はその蓄積された富の前に晩節を汚すことになった。あらためて思う、本当の試練は、求めたものが得られたところにこそ始まるのだ、と。人は恵みと導きを下さった御方に、最後まで従い続けられるかが、問われるのである。
by aslan-simba | 2016-06-08 22:09 | Comments(0)

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