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優しい鬼くんたち

 近所のスーパーのチラシに「節分巻きずし」予約販売、お渡し日「2月3日」とあった。最近は恵方巻(丸かぶり寿司)も節分名物になった。しかし古来、節分行事といえば、先ずは「追儺(ついな・鬼祓い)」だ。立春を前に豆をもって鬼(災い)を祓う。さらに、鬼が戻らないように玄関先に鬼の嫌いな鰯(いわし)の頭を柊(ひいらぎ)に刺して置くのである。
 「鬼は外、福は内」・・・二十年も前になるが、「豆をぶつけたら鬼さんたち可哀そう」と、『泣いた赤鬼』の話(浜田廣介作)を子供たちが聞かせてくれた。心に残る話だった。
 山に住む、人間と仲良くしたい赤鬼、お菓子まで用意して人間を待つが、誰も怖がって近寄って来なかった。悲しんだ赤鬼は親友の青鬼に相談する。同情した青鬼はこんな策を提案する。それは「青鬼が人間のところへ行って大暴れする。そこへ赤鬼が登場し、青鬼を懲らす演技をすれば、人間たちは赤鬼を優しい鬼と思うだろう」ということ・・・それでは青鬼に悪いと赤鬼は遠慮するが、結局彼らは人間の村で、この一芝居をうつことにした。作戦は成功し、結果赤鬼には人間の友達が多くでき、毎日楽しく過ごせるようになる。しかし日が経つにつれ、赤鬼は親友の青鬼のことが気にかかり、青鬼の家を訪ねる。青鬼は不在。そこに貼り紙があった。「赤鬼くん、人間たちと仲良く楽しく暮らしてください。もし、僕がこのまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、僕は旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼」。
 ・・・泣き続ける赤鬼くん。友の願いを叶える為に力を尽くし、静かに身を引いた青鬼くん・・・何と義理堅く、友だち思いなのだろう。背後に「互いに愛しあいなさい。これがわたしの掟である。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」というイエスさまの御言葉さえ響いてくる。
 悪い鬼は追い払うべきだが、私たちの国には、こんなにまで心根の優しい鬼くんたちもいるのである。
 今、彼らはどこで、どうしているだろう。もしかしたら、この節分に出会えるかもしれない。ありがとう、青鬼くん、赤鬼くん!



☆2月2日説教「癒やしの奇跡」要約:
「・・・『人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう』。そして、中風の人に言われた。『わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい』」(マルコ福音書2:9-11)
 イエスは、神の権威をもって罪の赦しを宣言された。私たちは神の憐れみの下、この「根源的な癒し」に与っているのである。だから、どんな時にも、希望をもって立ち上がって行くことが出来るのである。
by aslan-simba | 2014-01-30 21:31 | Comments(0)

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