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時の流れ

 最近、時間の経過を本当に早く感じるようになりました。多分、忙しいからでしょうか(実は加齢のため?)。清少納言の『枕草子』にこんな言葉がありました。「ただ 過ぎに過ぎるもの。帆かけ舟。人の齢。春、夏、秋、冬・・・」、帆かけ舟は、平安時代において、早いものの代表だったのでしょう。人の年齢もそれと同じということです。若い若いと思っていても、あっという間に年をとるものだ、と。翻って我身も、知らぬ間に還暦を越えています。
 二昔前、三昔前のサラリーマン時代の忙しさは現在の比ではありませんが、あの頃の一日、一年の感覚は今よりも随分と長かったように記憶します。誰もが同じ一日24時間、一年365日という時を与えられていても、年齢で、その感じ方に変化が生じるのでしょう。ある方がこう言っていました。「人生、若い上り坂の時はゆっくりだが、折り返し地点を過ぎると、ブレーキの壊れた自転車に乗って下り坂を走るごとく、どんどん月日は過ぎてくものだ」と・・・。同じ思いをもたれている方もあると思います。
 神さまから頂いた人生の時間、この先も悔いのないものにするために、まずは、「今の時」を大切にしたいものです。今、出会っているこの時間は二度と巡っては来ない一度きりのもの、「一期一会」(いちごいちえ)であることをしっかりと心に刻みましょう。 そして、今まで以上に、御言葉から聴き、祈ることに力を注ぐ・・・自己を顧み、神を思う時間、御国への思いを馳せる時が、人生の後半戦に於いて何よりも大事だと思います。ある米人作家は言います。「私たちには夢見る時、思い起こす時、そして無限へと思いを馳せる時が必要。つまり『存在』を思う時間が必要なのだ」(Gladys Taber: We need time to dream, time to remember and time to reach the infinite. Time to be.)と・・・。
 私たちは御前において「小さな存在」にすぎませんが(詩90編参照)、主にある人生を頂いた者として、心底「生まれてきてよかった」と告白できる歩みを、最後の時まで続けたいものです。



☆7月21日説教「怪力サムソン」要約:
 士師サムソンは、 神の恩寵を受けて超人的な力を持っていた。一人で千人の敵を倒したとも言われている。 しかし、宿敵であったペリシテ人の女性デリラの姦計にかかり、自らの強さの「秘密」を話してしまう。それを知ったペリシテ人の手によって彼は目をえぐり取られ、捕縛されたのだが・・その人生の最後にこの祈りと共に立ち上がるのである。「わたしの神なる主よ。わたしを思い起こしてください。神よ、今一度だけわたしに力を与え・・・」(士師記16:28)。
by aslan-simba | 2013-07-18 15:15 | Comments(0)

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