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レント...寒梅の花

新聞記事に「春本番も遠くない。寒風にこごえそうな梅の花が、季節の移ろいを教えてくれた気がした」とあった。ちょうど今、早春の風情を漂わせる「花」の季節を迎えている。
 「花」と言えば「桜」を思い浮かべる人は多いと思うが、古い時代の日本人には「梅」を意味したという。寒中に花咲くその凛とした佇まいを、私たちの祖先は愛でてきたのである。・・・万葉の時代は白梅が、平安時代には紅梅が好まれたと言われる。
 『万葉集』には、梅の花の歌が119首もある。たとえば大伴旅人(おおとものたびと)は、「雪の色を、奪ひて咲ける、梅の花、今盛りなり、見む人もがも」、すなわち「雪の白さを奪い取るように、美しく白い梅の花が咲いている。見る人がいればよいのだが」と清楚な孤高の花として讃えている。禅語にも、梅に関する言葉は多い。「一枝の梅花 雪に和して香ばし」には、雪と一体となったその気高い姿が見事に示されているようだ。
 ところで、梅を愛した同志社の新島襄の漢詩に、「真理は寒梅の似(ごとし)、敢えて風雪を侵して開く」とある。これは彼が教え子の学生、深井栄五(後に、日銀総裁となった人物)におくった詩である。牧師だった新島にとって「真理」とは、「我は道なり、真理なり、命なり」(ヨハネ14:6)と語られたキリストの事だろう。つまり、梅の花とイエス・キリストが重ねられているのだと思う。厳しい寒さに負けず、雪や霜にも耐えしのぎ、復活の春を告げる梅の花・・・「百花の魁(ひゃっかのさきがけ)」と言われるその毅然とした姿に、主イエスが見えるのである。
 このレント(受難節)の時、私たちも梅を見上げながら、筆舌しがたい艱難辛苦に耐え抜かれた主の受難と十字架を覚えたい。そこから梅の花、真理、キリストの示す強さを学び、感謝と悔い改めの心を確かにしつつ、主にあって自らを正して行きたいものである。


☆2月24日説教「強くあれ」要約:
「最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身につけなさい・・・だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、しっかり立つことができるように」(エフェソの信徒への手紙6:1,2,13)
 私たちの人生には理不尽な力が挑んでくることがあります。それを聖書は「悪魔の策略」だといいます。どういうことか。それは、人間同士が憎み合い、いがみ合い、傷つけ合っている背後には、悪魔の働きがあるということなのです。しかし恐れることはありません。私たちは「神の武具」を頂いているのです。
by aslan-simba | 2013-02-22 08:26 | Comments(0)

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